
Pulsating Light
[作品概要]
作品の中心にあるのは、複雑に枝を伸ばした木の根である。磨かれ、漆を纏ったその根は、一部が透明な樹脂の枝に置き換えられ、内部に仕込まれたLEDが独立してランダムに明滅することで、枝そのものが呼吸しているかのような光を放つ。
根は普段、土の中に隠れ、その姿を見せない。この作品はあえてその見えない存在に目を向け、美しさの裏にある生のうつろいを問いかける。根を覆うダウンジャケットは、服が持つ本来の文脈を纏いながら、土壌という概念を体現する。
作品はオブジェクト単体として完結するものではなく、置かれる場所の文脈を纏うことで表情を変える。森の中では周囲の生死のグラデーションへと溶け込み、都市の中では人工的な光や呼吸の中に異質な存在として立ち現れる。場所によって纏う服を変えることも想定しており、その都度、作品は新たな土壌を獲得していく。
PULSATING LIGHT は、その場所の気配を纏い、ここにある生のうつろいに鑑賞者を誘う作品である。






[構成要素]
木の根は、複雑に枝分かれした一本の木の根を、そのままの姿で用いている。表面を丁寧に磨き上げ、漆を塗布することで、木肌の表情と漆の艶やかさが溶け合い、時間の堆積を感じさせる仕上がりとなっている。
樹脂枝は、その根のうち5本を透明な樹脂に置き換えたものである。それぞれの根元に小型のLEDを仕込んであり、点灯すると枝全体が内側から発光しているように見える。LEDはそれぞれ独立してランダムに明滅を繰り返し、ある周期で全てが同時に強く輝く瞬間がある。樹脂の内部には血管を思わせるツリー状の気泡が封入されており、光を当てると浮かび上がるその模様が、有機的な生命の気配を作り出している。
ダウンジャケットは、土壌の柔らかさと温もりを体現する。十分な綿を詰め込んだその柔らかな膨らみは、生命を育む土壌の豊かさを想起させる。アウトドアウェア用の機能的な生地を用い、ジッパーやボタン、リブといった細部にまで人間が実際に着用できるような機能性を持たせている。内なる自分を包み込み、外の世界との境界線を引く。服が持つその本質を、この作品においても引き受けている。




[手仕事とテクノロジー]
この作品には、3Dスキャン・3Dプリント・CGによるパーツ設計・AIを用いた照明制御のコーディングなど、現代のテクノロジーが多岐にわたって取り入れられている。一方で、ダウンジャケットの縫製はすべて服飾職人による手仕事である。
最新のテクノロジーを核に持ちながら、その表層を人間の手が覆っていく。テクノロジーは見えないところで脈動し、手仕事がそれを包み込む。このプロセスに、強い関心がある。
AI全盛の時代だからこそ、作品の表面に人間の痕跡が宿ることの意味は大きい。
テクノロジーと手仕事は対立するものではなく、互いを引き立て合い、呼応し合うものとして、この作品の中で共存している。

[今後の展望]
PULSATING LIGHT が今後目指すのは、さらに多様な場所・文脈との対話である。都市の呼吸を反映した表現、光によって浮かび上がる模様を持つ生地、人工的な輝きを纏う素材。場所に応じて纏うものを変えながら、作品は変容し続ける。
生と死の境界線は、常に曖昧で移ろっている。その移ろいに目を向けることで見えてくる豊かさ。
それこそが、この作品が問い続けるテーマである












Planning/Director/Designer : Takuma Sasaki
Costume Designer : Koshiro Ebata
Stylist : DAN (kelemmi)
Lighting Planning & Design : Satoshi Yanagisawa (Triple Bottom Line)
Lighting System & Mechanical Design : Yoshihiro Hirata (R2)
Technical Support : NICHINAN GROUP
Creative Director : Ryo Kitabatake
Producer : Ko Yamamoto
Project Manager : Ren Ishikawa
Photographer: Yuya Shiokawa
Concept movie
Cinematographer: Yuya Shiokawa
Colorist: /////////
Sound: /////////