7月3日。
毎年、「今年は梅雨が無い」「もう35度だ」と耳にする。
立っているだけで直射日光に体力ゲージが削られる、ステータス異常の感覚。しかし、この眩しさと鮮やかさを、冬になると思い出せない。
会社のある神南の周辺は割とよく歩き回っているので、神南を起点にまだ歩いてないエリアに向かうことにした。

ビルの名前やマンションの名前は目についてしまう。「千城」が歴史のある中華屋さんのようで迫力のあるロゴである。

???
何か無いかな、と探しながら歩く事もあるし、特に何も考えずに歩く事もある。自分が意図しなかった、ランダムな出会いや発見が面白い。
コントロールを手放している方が、自分の内面よりも面白いと感じる時がある。

グラフィック的なものやタイポ的なものは目についてしまう。こういった落書きに対して、普通に「上手いな」と思ってしまう事も多い。
神南から国立代々木競技場の方へ抜け、原宿方面へ。今まで存在を知らなかった新しめの商業施設が建っていた。

国立代々木競技場の生垣
岩のテクスチャーはついつい撮影してしまう。途方もない情報量なのに整然としている。
YYY
国立代々木競技場の端に、不思議な街灯があった。これも競技場を設計した丹下健三氏の設計だろうか。スタートレックみを感じる。

Y
交通標識も今や擦られつくした感は否めないが、図形としての強さに立ち止まる時がある。Y字路。

基地か墓地か
パイロンも、かなりありふれたモチーフになってしまった感はあるのだが、たまに異常な状態になっているものなどを見ると嬉しくなる。「面白さ」は、「モチーフの新鮮さ×状態の異常さ」などで算出されているのだろうか。

???
どういう状態か分からない、トマソン的なものは瞬間的な面白さがあるのだが、これもまた難しい。面白さがいわゆる「トマソン的」になってしまうと、「これってトマソンだよね」の盛り上がりになってしまい、自分が求めている楽しさと少し違ったりする。
五輪橋というらしい
橋を渡って原宿/表参道の方面へ。
コープオリンピア
コープオリンピアは有名なビンテージマンションだが、調べると屋上にプールがあるらしい。夢がある。
今年の年始にCESの仕事でラスベガスへ行った。
その時、巨大なプールを掃除するための水中ルンバのような家電ロボを取り扱っているコーナーがとても賑わっていた。日本では絶対に売れない商品だろうが、アメリカの家庭では需要があるのだろう。

オリンピアクリニック
なんとなく、竹下通りなどがある方へ向かうとちょっと違う気がしたので、コープオリンピアの裏手の路地の方へ進む。
渋谷周辺はなかなか難しい。
センター街や竹下通りなど、日常というよりは「お祭り」すぎて、小さなノイズを見つけるのが凄く難しい。常に爆音が鳴っているような感覚。実際にアドトラックによる爆音も鳴っているけれど。なので、住宅街の方へ足を運ぶ事が多い。

茶色く塗られた室外機
静かな場所の方が、いろいろと発見しやすい。

白と青①
何に反応しているか、なかなか一概には言えないが、色に反応している所は大きい。
特に色面。「綺麗な色だな」という感覚をなるべく言語化せずにそのまま保持させたいという気持ちがある。

坂道

白と青②

白と青③
そうこうしているうちに、明治通りに出たのでそこから神南方面へ戻る。
1時間ほど歩いただけでも暑さでかなり体力を消耗してしまった。
明治通り、宮下パーク前の歩道橋

手すりの延長

ボルトがやたら多い
歩いたことの無い所を歩く時だけに感じられるスリルがある。
もしかしたら迷子になれるのではないか、と期待している。

アルミニウム
手すりのパイプの質感と曲線。白と青の眩しさを思い返す。

YYY
競技場の街灯はどんな形状だったか、写真を見返してみる。3本のYが円状並ぶ事で360度を照らせるという秀逸な造形だった。

Y
そういえばこれもYだったな、と思った。

YYY
少し涼しさを感じたかったので手前にも透明なYを置いた。
これを見て神南⇒神宮前を感じる人はほとんどいないとは思う。
自分の中にしか無いタイムラインのようなものだが、全部を理解されなくても、何かが伝わる部分があると嬉しく思ったりもする。
